(第3話からのつづき)
「モニター見たい?それともぼーっとしちゃう薬飲む?」
注射の針先も見てたい派です。せっかくの機会ですから、意識ハッキリ、モニター見せてくださいっ。
「よだれも涙も鼻水も垂れ流しでよろしくねー」
「ベルト緩めて楽にしてね、はい、横向きになって」
さすが優秀な看護師さん(と僕が勝手に思ってる)。テキパキしてるなぁ。どきどきしてる隙間がないや。
お、目線の先にモニターがある。オラ、少しばかりワクワクしてきたぞ。
「じゃ、いきますねー」
おえっ。いかんいかん鼻から吸って口から吐くのだ。
「うわーーー真っ白だー。こんなになっちゃうんだー」
「こりゃ無理だよー」
先生、バリウムだらけに突入したことないとはいえ、諦めんの早すぎよ。
「すごーーーい♪」
「初めて見た~」
看護師さんたちも盛り上がりすぎ。いつの間にか看護師さんが5人ぐらいに増えてんじゃん(^^;
「洗浄しましょう」
看護師さんが洗浄水を注射器で吸い上げて、それをドクターがケーブル経由で胃に噴射っ。
ちょろちょろ。ちょびっとだけ胃の元の色が見えた。
「これじゃ全然足りませんね」
看護師さん、ぶっとい注射器に持ち替えて、2人がかりでどんどん水を用意する。
ちゅーっ。ちゅーっ。少しずつ、ほんの少しずつ胃の壁が見えてくる。なんかサンダーバードな気分だ。
「胃はきれいだなぁ」
「このへんのはずなんだけどなぁ」
「でもわっかんないなーー」
ヤツの姿どころか、悪さした形跡もないらしい。
次々に水が噴射されていく。喉を通らずに胃の中に冷たい水が入るという感触がちょっとおもしろくなってきた。
先生は自分用のモニターに注目しすぎて、注射器から水が漏れてるのにも気づかない。僕の顔にめっちゃかかってるんですけど。よだれだと思われるんだろうなぁ。別にいいけど。
それより先生、僕の目の前に立たないでよぉ、僕用のモニターが見えないんですけどぉ、と口に出せないつらさ。
太い注射器で10本分ほどの水を注入しただろうか。
お医者さんが静かにギブアップ宣言をした。
「ごめんなさい、ここで終わります」
「じょうずでしたよー♪」
胃カメラの飲み方が上手だってほめられちゃった。てへ。でもまあほめられてもねぇ。
そんなわけで見つかりませんでしたよ、未確認生命体ことアニサキス。
戻った消化器内科では「やっぱり見つかんなかったかー。そうだよねー。痛くなったらまた来てね、明日には胃がきれいになってると思うから」と言われて、特に薬も処方されず(実際おなか痛くないし)、以上終了の巻。
あ、もうひとつ言われたんだった。
「あのねー、2度目のほうがぜっったいに痛くなるからね~。でも青魚好きな人は食べるんだよねー♪」
「いったん凍らせると死んじゃうから大丈夫だよ」
つまり、お寿司は回ってるとこ限定ってことですね・・・orz..
* * *
結局なんだったんだろ。確かにレントゲン写真には、ヤツは写ってた(スマホとかで撮影しときゃよかった)。
その後も腹痛ないし、バリウムとか洗浄水といっしょに流れちゃったんじゃないかなぁとか、もともとあれは糸くずだったんじゃないかとか、シロートながらに考えちゃいますね。
初診料と処置料の3,700円返せっていうぐらいのことは思いますけど(笑)、バリウム後の胃袋をきれいにしてもらったってことで、いや、それよりもブログのネタになったってことで、まいいや。
おしまい。
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