「ミステリーに魔法使いが登場するっていうのは、ただの反則でしょ」
いやもう、それは誰でも思うって。ところが。
東川篤哉の新シリーズ、「魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?」を読了。
タイトルだけを見ると魔法使いが犯罪を計画するみたいな感じだけど、さにあらず。どちらかというと探偵側、って帯読めばわかるか(汗)。タイトルはもちろん “アレ” のパロディだ。
収録されている中編4作とも、魔法にだって出来ることと出来ないことがあるんだよという設定の妙というか、結局おまわりさんが犯人を捕まえるには証拠が必要だとか、魔法使いがいてもなんだか成立しちゃってるところがさすが、なのであります。
登場人物もいい。魔法使いはあえてのステレオタイプだし、警察官はドM刑事にドS上司。どこかで見聞きしたことのあるような設定だけれども、それが軸になってるわけではなく、あくまで周辺のスパイスとして楽しめる。
そうだ、犯人もけっこう「滑稽」なんだよね。
美人上司はどうしても「HERO」のときの吉田羊にしか思えないワタシ。こういう人、けっこう好きです(照)。
ストーリーは倒叙(つまり犯人が最初にわかってるパターン)なので、読者にとっては魔法がなくても犯人もトリックもわかってる。なのに魔法使いが現れて・・・このあたりが上手いんだよなーって思う。
というかですね、けっこう本格的だから。
魔法使いの起こす騒動の中に、ヒントが隠されてるんだもん。ヤラレタ感はあるよ。
電車通勤のお供に。昼休みの暇つぶしに。十二分にほめてるつもりですが何か(^^;
続刊も早く文庫にならんかな。
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