このゴールデンウイークの帰省には、去年の秋に病を患ったオヤジのご機嫌伺いという側面もあった。
すぐにでも様子が見たい気持ちと、一方で弱っている姿なんて見たくないなという気持ちも正直あったりして、少々複雑な気分を抱えたまま、半年もの時間が過ぎてしまった。親不孝で申し訳ない。
そして驚いたことに、酒、やめてた。1年365日のうち366日は飲んでるような人だったのに。こと嗜好品に関してはそんなに意志の強いほうじゃないと思ってたんだけどなー(笑)。そのぶん、食欲が増したようで、そこは何より。
そんなわけですっかり元気なのである。
そのオヤジが、唐突に、坊主2号に「これあげるよ」と懐中時計を手渡した。
細かくは書かないけれど、この時計はモノホンなわけで、裏蓋には年号とシリアルも刻まれている。
リューズを引っ張ると、秒針がてっぺんを指したところでストップする、時刻合わせの必須機能付き。最近の運転台にもこの時計をセットする場所、あるんじゃなかったかな。
金銭的価値はそうあるわけではないけれど、少なくともオヤジの人生においてそれなりに大きな意味がある時計だし、もしそれを息子である僕に「やるよ」と言われてたとしても簡単には受け取れないと思う――欲しいけど(^^;
ところがそこは孫ですからね、屈託なく「ありがとー」と。
確かオヤジはこの時計、2つ持ってたはずだ。そしたら「もう1つはお兄ちゃんにあげるけど、ちょっと調子悪いから修理しとくって言っといて」と。
そうか、このタイミングで2つとも2人の孫に譲り渡すのか。まるで形・・・・いや、やめとこ。でもなんだかちょっとね・・・。
きちんとどういう品なのか、伝えてやらないとな。
・・
・・・
ノンアルコールビールを旨そうに飲んでる姿を見ながら、ふと、今の僕の年齢のときに、オヤジは何をしていたか、計算してみた・・・。引き算引き算。
うわー、すげぇなぁ。少し丸まって少し小さくなったはずの背中が、また大きく見えた。
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