結城真一郎「プロジェクト・インソムニア」を読了。
個人的には「スイッチ 悪意の実験」に続き、“実験モノなミステリー”2連発です(^^;
本作での“実験”は、複数の被験者を「同じ夢の中」に滞在させるというもの。
それってメタバースじゃんって思ったりもしたんだけど、いやいや、作られた空間ではなくて夢の中ということはそれ自体が不安定で逆に想像もしていない方向に崩れていってしまうっていう怖さがあるのかな、って思い直したり。
夢だからこその自由自在。
夢だからこその制限事項。
楽しいだけじゃない。それこそ「夢のような世界」だけではない世界。
夢と現実との境界線が次第にあいまいになっていく中で起きてしまう事件――。
自由と制限の間で、いったい誰が、いったいどうやって。
静かに不安感が積み重なっていくサスペンスな空気。
答えの欠片が見つかったような見つからなかったような感触。
いち読者としては答えにつながるようなピースがなかなか見つけられないんだけど、物語の中と夢の中の両方にぐいぐい引き込まれちゃって、没入感すごかった!
と、突如語られる主人公の現実の彼女の話。こんなにページを割いたということは、もしや?まさか??予想だにしてなかったことが???
これ以上書くのは野暮ですね。
ラストシーンからエピローグに続く謎解きも含めて、すごくきれいでお見事、そんなエンディングでした。
・・
・・・と思ってたら!さらにエンディングの先に戦慄のエンディングが!!
それこそが「いったいなぜ」の解。
おもしろかったぞっ!!
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