2023年7月12日水曜日

悪意の実験。

潮谷験「スイッチ 悪意の実験」を読了。

『そのスイッチを押したら・・・』
『彼らが破滅します』

大学生中心に無作為に集められた6人に渡された「スイッチ」。それを押すことによって起こる「結果」はわかっているが、はたしてそれを押す者は現れるのか。そしてそこに“理由がない悪”は存在するのか――謎多き実験が始まる。

その設定だけでなんかどきどきゾクゾクしますね。
ふと気になって読み返したら、実験の説明が始まる前の冒頭11ページにもう『悪意ゼロのナイフ』という言葉が出てきてた。


この6人の心理をぐりぐりと描き出すのかと思いきや、お話はあまり想像してなかった方向に進んでいく。
「結果」は別の「事件」を生み出し、それによってまた新たな「結果」が生み出されて、という展開になっていく。

「誰がなぜ」というミステリー色も目立つようになっていく中で、あいかわらずどきどきゾクゾクしながら読み進めてるんだけど、(少しぼかしつつ書きますが)ちょっと理解しにくい世界とか、ちょっとオカルトな事象や表現が出てきたりして、なんと言うのか、自分の中に物語が入りきらなくなってしまったような感触があって・・・・悩ましかった(^^;

“理由がない悪”と対になる言葉として描かれた“中途半端な善意”。どちらもそこそこダメってことだけはしっかりとわかった。

エピローグで描かれた結末は、それなりに美しく、いいエンディングだと思ったな。

でもそのエピローグの中に、何度読んでも意味のわからない一文があってな・・・(涙)。


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