昭和50年。病に倒れた男が、12歳になる息子に遺した手記。
『知りたくないのなら読まないほうがいい。ただ知りたいのならこの先を読んでほしい・・・お前は5歳のときに誘拐された』(実際の文章とは異なります)
いや待てよ。12歳になってるということは、事件はどうあれ子供は無事だった、ってことだよな。よかったよかった(^^b
この息子、ワタクシ同世代であります。つまりぼんやりと時代背景は想像できたりするのです。スキー教室行ったりしてますし。そのぶん、妙にリアリティが。どきどき。
というわけで、岡嶋二人「99%の誘拐」を読みました。
7年前に何が起こったのか。時間を追うように手記は書き進められていくのだが・・・あれ?
子供は解放され、意外に早く事件は終わってしまった。
でも手に持った本のまだ1/3も進んでないじゃないか。ということは「この後」があるわけだ。期待が高まる。
時は流れて昭和62年。止まっていた時計の針が動き始める。
僕にでもすぐにわかる矛盾と疑惑。
犯人は身代「金」を得ていなかったとするならばなぜ少年は無事だった?
そしてそんなことをする理由があった者がいるとすれば・・・・うわー。どきどきわくわく。
そしてついに新たな事件が起こる(このあたりからは細かく書かないほうがいいな)。
倒叙ミステリーのような緊張感。サスペンスの緊迫感。どきどき。
当時のリアルな(+ちょっと不可能な)テクノロジー描写、そうした視点で読んでもおもしろい。UPS登場は驚いた!
そして予見される近未来。当時はSF的だったに違いない。それが現在のIT、さらにはDXを見てどうだ。『ヤバいぞ、それしか言えん』(←千鳥ノブの声でww)。
しかも、テクノロジーが完璧でも失敗するときはする――それをスペースシャトル・チャレンジャー号になぞらえて。どきどき。
何やらずーっとどきどきしてる(笑)。
失敗を予見しているからこそ、逆に怖い犯人像でもある。そしてそれがタイトルの「99%」ということなのだろうか。100%はありえないのだと。
終盤に向けてさらに上がっていくスピード感(←ネタバレっぽい)。
そして!!・・・ああああっあそこだったか!そういう伏線!!見落としてたぁぁぁ!!
いやー、どきどきしたなー。実におもしろかったなぁ。ホント、サイコーでありました。
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余談。ガソリンスタンドで「灰皿よろしいですか?」と聞かれることの懐かしさよ。
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