すっかり4年に一度の恒例行事になった感もあるマラソンの代表選考問題。
このブログでも何回か書いたこともあるし、「今」どう思ってんのか書いとこうかと。
異論はものすごくありそうだけどね~。
まず福士陣営の「内定って言ってくんないんだったら名古屋も出る」というやり口は、よくない、と思ってる。あえてやり口、という汚い言葉を使ったけど、要は脅しでしょ。気持ちはすごーくわかるけどさ。
だってそもそも選考基準の中で「基準タイムをクリアしたら即内定」なんて話はどこにもないから。「3つの選考レースで選ぶ」って言ってるんだモン。なら名古屋のレース前に適当なことは言えませんって。
つまり「もともと決まってたことに対して後出しで文句言ってる」ってふうにしか見えないんだよ、僕には。
基準タイムをクリアした者を優先するってことだけなんだ。
陸連のやり方(つまり「選考方法」、すなわち「もともと決まってたこと」)がすべてGOODだとはちっとも思わないんだけど、そういうふうに決まっている以上、名古屋が終わるまで「内定」なんて言えるわけない。それはルール。
選考基準に文句あんなら、先に言えと。
こういう寝技使うぐらいだったら先にネゴしておけよ。
案の定、福士は名古屋を走らない。交渉のカードにされただけだ。それは福士“選手”にとっていいことはひとつもない。
アスリートを擁護しているようなポーズだけど、ちっともアスリートファーストじゃない。
あー書いてて腹立ってきた。
「決定だべ」「んだ」って堂々と待たせときゃいいだけの話。あのタイムはそうそう出るもんじゃないし、さらに優勝という結果もある。それに自信持てよ、と。
福士選手のことは全面的に賞賛してるし、すごく応援している大好きなアスリートだけに、ちょっと残念だった。
* * *
さあここから「選考方法」の話をしよう。
・・・と思ったんだけど、全然考えがまとまらない。僕はもともと「日本選手権兼代表選考会」方式派だったんだけど、今は正直よくわからない。
マラソンは環境、天候、それから(ペースメーカー含めた)レースの考え方によってものすごく左右されてしまうので、そういう意味では「泣いても笑っても」という一発勝負はものすごく納得感があるようで、案外そうでもないのかもしれないと。そういう競技特性なんだと。
今の日本国内順位を決めるためではなく、五輪で戦う選手を選びたいのだから。
このあたりは稀代の論客がていねいに説明してくれている。個人的にはすんごく納得感があったし、考え方に影響がものすごくあったので、ご紹介しておこうかと。
フモフモコラム「マラソン代表選考の揉め事は仕方ない類のものであり、「悪の陸連」なるイメージはいわれのない幻想であるという説明。」
それから陸上十種競技の元日本王者がおもしろい案を出してた。
マラソンは選考会を3つ設けるのは放映権収入やスポンサー獲得のメリットがあるから良し。もうひとつ日本選手権マラソンを設定して一発で1人確定させるべき。そして選考会でタイム順に選考するべき。条件うんぬんは目先の論理。長い目で選手を速くするねタイムを上げる事を至上命題にする事が最優先。
— 武井壮 (@sosotakei) 2016年2月28日
たとえば団体競技だって「なぜあいつが」というのは常につきまとうわけで、揉めるとはすなわち、みんなに私案があるってことでもあるわけ。それはそれだけマラソンに人気があって、注目されているから。女子7人制ラグビーだってボーダーラインすれすれの選手はいるのよ。話題にならないだけで。
つまり話題になるのは競技者としてはまず幸せである、つまりTV中継スポンサーのある選考会レースを削減するのはデメリットのほうがでかい、という考え方もできるわけさ。
団体競技は数値化できないから監督が好きなように選ぶしかない。
水泳ってのは基本的に環境にそんなに左右されないから一発勝負。
同じ陸上でも、派遣標準記録を上回らなければそもそも選ばれない。
仮にランキング制度を作ったところで、その制度そのものについて揉めるからね。
そんなわけで、現在僕の中では「選考方法」についてはいい案が思い浮かばない。ただ、「タイム順」ってのは案外本質かもわからんねって思ってる。
暑いからって2時間10分オーバーのタイムで駆け引きしてるより、条件関係なく2時間5分を目指したほうが世界は近い、そんな気がする。
ほら、この日曜日の東京。
初マラソンの村山ひとりを行かせて後は「遅いペースで牽制」とか興ざめもはなはだしい。
今の段階でも選考基準の一番目に「タイム」があるんだよ。シロートだからこそ言わせていただけるのなら、「狙えよ」、と。
そんなことを思ってたからさ。
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