2016年3月1日火曜日

五輪は参加することだけに意義があるのかい。

すっかり4年に一度の恒例行事になった感もあるマラソンの代表選考問題。
このブログでも何回か書いたこともあるし、「今」どう思ってんのか書いとこうかと。

異論はものすごくありそうだけどね~。

一番最初に。選考 基準 方法の問題と、それから「福士の名古屋エントリー問題」は別の話なので切り分けて考えないといかん、ということ。

まず福士陣営の「内定って言ってくんないんだったら名古屋も出る」というやり口は、よくない、と思ってる。あえてやり口、という汚い言葉を使ったけど、要は脅しでしょ。気持ちはすごーくわかるけどさ。
だってそもそも選考基準の中で「基準タイムをクリアしたら即内定」なんて話はどこにもないから。「3つの選考レースで選ぶ」って言ってるんだモン。なら名古屋のレース前に適当なことは言えませんって。
つまり「もともと決まってたことに対して後出しで文句言ってる」ってふうにしか見えないんだよ、僕には。

基準タイムをクリアした者を優先するってことだけなんだ。

陸連のやり方(つまり「選考方法」、すなわち「もともと決まってたこと」)がすべてGOODだとはちっとも思わないんだけど、そういうふうに決まっている以上、名古屋が終わるまで「内定」なんて言えるわけない。それはルール。

選考基準に文句あんなら、先に言えと。
こういう寝技使うぐらいだったら先にネゴしておけよ。

案の定、福士は名古屋を走らない。交渉のカードにされただけだ。それは福士“選手”にとっていいことはひとつもない。
アスリートを擁護しているようなポーズだけど、ちっともアスリートファーストじゃない。

あー書いてて腹立ってきた。
「決定だべ」「んだ」って堂々と待たせときゃいいだけの話。あのタイムはそうそう出るもんじゃないし、さらに優勝という結果もある。それに自信持てよ、と。

福士選手のことは全面的に賞賛してるし、すごく応援している大好きなアスリートだけに、ちょっと残念だった。

*  *  *

さあここから「選考方法」の話をしよう。

・・・と思ったんだけど、全然考えがまとまらない。僕はもともと「日本選手権兼代表選考会」方式派だったんだけど、今は正直よくわからない。

マラソンは環境、天候、それから(ペースメーカー含めた)レースの考え方によってものすごく左右されてしまうので、そういう意味では「泣いても笑っても」という一発勝負はものすごく納得感があるようで、案外そうでもないのかもしれないと。そういう競技特性なんだと。
今の日本国内順位を決めるためではなく、五輪で戦う選手を選びたいのだから。

このあたりは稀代の論客がていねいに説明してくれている。個人的にはすんごく納得感があったし、考え方に影響がものすごくあったので、ご紹介しておこうかと。

フモフモコラム「マラソン代表選考の揉め事は仕方ない類のものであり、「悪の陸連」なるイメージはいわれのない幻想であるという説明。

それから陸上十種競技の元日本王者がおもしろい案を出してた。



たとえば団体競技だって「なぜあいつが」というのは常につきまとうわけで、揉めるとはすなわち、みんなに私案があるってことでもあるわけ。それはそれだけマラソンに人気があって、注目されているから。女子7人制ラグビーだってボーダーラインすれすれの選手はいるのよ。話題にならないだけで。
つまり話題になるのは競技者としてはまず幸せである、つまりTV中継スポンサーのある選考会レースを削減するのはデメリットのほうがでかい、という考え方もできるわけさ。

団体競技は数値化できないから監督が好きなように選ぶしかない。
水泳ってのは基本的に環境にそんなに左右されないから一発勝負。
同じ陸上でも、派遣標準記録を上回らなければそもそも選ばれない。

仮にランキング制度を作ったところで、その制度そのものについて揉めるからね。

そんなわけで、現在僕の中では「選考方法」についてはいい案が思い浮かばない。ただ、「タイム順」ってのは案外本質かもわからんねって思ってる。

暑いからって2時間10分オーバーのタイムで駆け引きしてるより、条件関係なく2時間5分を目指したほうが世界は近い、そんな気がする。

ほら、この日曜日の東京。
初マラソンの村山ひとりを行かせて後は「遅いペースで牽制」とか興ざめもはなはだしい。
今の段階でも選考基準の一番目に「タイム」があるんだよ。シロートだからこそ言わせていただけるのなら、「狙えよ」、と。

そんなことを思ってたからさ。

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