2019年8月5日月曜日

スマイリング・シンデレラ。

単独首位に立った3日目終了後のインタビューで渋野日向子は言ってた。「3パットが一番嫌い」と。それが序盤で出てしまい、さらに切り替えられずに4パットのダボ。2ストロークあったはずのリードは一気にビハインドになった。

あまりトリッキーなところもないコースで、上位陣がバーディ合戦になっている中、このダボは単純に「苦しい」立ち上がりになったに違いない。

トレードマークの笑顔も影を潜めていたように思える。

が、どこかで「可能性」があると思い続けられた。だから眠くならなかった(笑)。
それはこのコースでのバック9での爆発力。わずか30のスコアでラウンドした実績がある。それも初日と3日目の2回も。どうして3日目はフロント9を見たとこで寝てしまったんだ(悔)。

信じてた、というよりも信じようとしてた、に近いかな。

でも、本当にそれは始まった。



笑顔が戻り、おにぎりを食べ、ギャラリーと手を合わせ、カメラに向かって愛嬌を振り撒き(ついでに「タラタラしてんじゃね~よ」を食べ)、プレーに入ったら一気に集中し、時間をまったくといっていいほどかけずにスパっと打つ。打ち終わったらまた笑う。

その打球は実に素直にまっすぐ、フェアウェイへ、グリーンへ、カップへ向かっていく。前半の苦しさがうそのようにバーディが積み重なっていく。
技術的なことはようわからんが、とにかく土台がしっかりしてて、腰のキレがヤバイということだけはうかがえる。

トップを争うサラスがゾーンに入ったような雰囲気を強烈に漂わせるのに対し、集中と弛緩、あるいは飄々としたという表現が近いのか。

とにかく、突き放しても突き放しても笑いながら追っかけてくるってのは逃げる側からすると恐怖以外の何物でもないような(^^;
これじゃシンデレラじゃなくて魔女だけど。



チャンピオンシップパット。どう考えたって緊張する5メートルの下りのライン。それをガツンと打つ。うわわわわわわっ、とテレビ前の僕の腰が浮く。
リプレイ見たらカップイン前にご本人もう笑顔――そしてカップに“叩き込んだ”。競技は違うけど、ちょっとダンクシュートを思った。
バックナインのスコア、最終日も-5。

一度魔法が解けかけたシンデレラは、自らガラスの靴を履きなおし、自らの手でハッピーエンドをつかみ取った!!

「すげぇ」と「おめでとう」しか言えないや。
なかなかこんな楽しい寝不足月曜日ってのはやってこない。

*  *  *

こういう大きなチャンスってなかなかやってくるもんではなくて、でもそのチャンスを得るための壁は高くて、「惜しかった、次こそ」なんて思うことは多いような気がするのね。でもそうなると、次のチャンスはなかなかこなかったり、あるいは何度も跳ね返されるなんてことは多いんじゃないかな、と。そんなのをいっぱい見てきたような気がしてて。

最初のチャンス。それ自体が奇跡のようなことであるのに、それを軽々ともぎ取っていく。それがスターの条件という気もしてたりします。

「心技体+運」とは解説の樋口さん(メジャー制覇者)の弁だけど、渋野選手の場合、それにさらに「何か」がプラスされてたような大偉業でした。改めて、おめでとうこざいます。
ちなみにテレ朝とWOWOWを行き来しながら見てました。戸張さんも老けたな(←ほめてない)。

さてと、今日はとりあえずお祝いに駄菓子屋寄ろうかな(よっちゃん食品スポンサード不可避)。


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