2019年2月3日日曜日

負けは素直に認めよう。が。

期待が大きいと結果が出なかったときにその反動もまた大きい。
でもそれを受け止め、考え、そしてチャレンジャーとして立ち上がるのだ!!

AFC ASIAN CUP UAE 2019 Final
●JPN 1-3 QAT

僕の場合は「日本弱かった」と非難するようなつもりもないし、試合を重ねながら少しずつ成長が見て取れたのはとても楽しかった。だから「残念だけどお疲れ様」というスタンスかな。
戦術的にも日本をしっかり研究しながら対策をピッチの上で表現できる――攻撃時には単純なクロスを放り込むのではなくバイタルエリアを地上戦で狙うということ、守備のときは両サイドをしっかりと下げてスペースを消してコンビネーションを使わせないということ――という、カタールの強さが際立ったゲームだったと思います。
そうした強い相手に対して、めったに決まらないようなシュートが決められて、VARでのPKも与えたらまあ勝機はない。しかたないね。



カタールがアジアの強国であることは疑いようもなく、今後はそのチームに勝たなけらばならないわけで、振り返ることも必要かと。気になったのはベンチワーク。62分武藤投入(個人的には原口ではなく代えるのは堂安だったと思ったが)、69分得点。これまでチームに大きな貢献をしてきた南野についに得点が生まれた。追い上げムードは最高潮だった。が、83分に失点して伊東の投入が84分。乾投入が89分。いかにも遅い
大迫と武藤という起点が2つできたことでカタールは混乱してた。そこにフレッシュなアタッカーを投入すれば、というのは素人考えだろうか。一発勝負で、しかもリードされている状況でそのリスクを取らない理由はないと思うんだが。もちろん結果論だよ、結果論(^^;
広島の監督時代も2点差を逆転した試合はなかったそうだ。

グループリーグでも交代枠を余らせた試合があった。こうしたベンチワークが僕はとっても気になる。

・・
・・・

アジアカップの命題のひとつとして「チームの成熟」と書いた。前述したようにチームそのものは試合ごとに成長していたと思うし、ケガ以外でのメンバー交代もなかったからレギュラーメンバーの成熟度は上がったと思う。単純にね。逆に言えば「誰が出ても」というわけにはいかなかったかな。

ただ、このアジアカップ7試合を見ても、ポイチさんがやりたいこと、やり方というのがあんまりよくわかってないので、少し考えてみようと思う。

広島時代のポイチさんは、攻めダルマだったミシャスタイルの3-4-2-1に守備の意識を持ち込んで「現実的に」勝ち点を積み重ねてきた。
A代表では3バックを使う気配すらない。前任者が選んだ4-2-3-1を踏襲している。

あくまで想像でしかないけれど、ポイチさんの得意種目はスクラップ&ビルドではなく、「ブラッシュアップ」なのかな。俺のやり方はこう、というものを出すのではなく(出せないのかもしれないが)、「継続」というお題目の下、可能なかぎり早期に現実的に勝利を重ねることのできるチームづくりともいうのだろうか。
この間書いたように世代交代などのやることも多いので、それがベターであると判断したのかもしれない。特に代表は「合わせる時間」が短いのだから――そこそこ時間の取れる五輪代表チームは3バックやってたりする。

そんな感じかなという前提で、森保ニッポンの4-2-3-1を見ていくと・・・。

3の両側は個で打開できるタイプ。かつコンビネーションの中でワンタッチシュートの打てるタイプかな。堂安、中島、原口。
中央はいわゆるトップ下っぽい人材ではなくてフィニッシャーとしても機能するタイプ。南野。
だからワントップは起点になりたい。もちろん大迫。

そのぶん、2のセントラルMFにパスでスイッチを入れるタイプを入れ、さらに自分で持ち運んでアクセントをつけるタイプ。前者が柴崎であり、後者が遠藤。

そうした配置には納得感はある。現実に成果も出てきていると思う。

一方で「選手を配しただけ」で終わってしまっているような気がしないでもなく。そこが一抹の、というやつ。
手詰まりになったときはどうするのか。まさにこの決勝戦のように。

親善試合のときには両SBを高い位置に配してのサイド攻撃が機能したが、アジアカップ全体を通じてなかなか高い位置が取れなかった。特に左サイドは原口との関係性もあるんだろうが、長友の上りがこれまでに比べて少なかったような印象だ。カタールはスペースも消してたしね。

ウズベキスタン戦のときに、伊東がハーフスペースでふらふらしてて、室屋のスペースを作るみたいなシーンがあった。あれは個々の判断だったのかなぁ。

守備面においては、アジアでのひとつの命題として「カウンター警戒」というのがある。
ボールを保持して攻め入っているときのリスク管理というか。立ち位置がなんかあやふやな気がするんだよな。攻撃から守備へ切り替わった直後の最初の守備で時間をかけさせることができればいいんだけど、そこがかわされたときのスペースの埋め方がどうも意思統一されてない感じ。中盤を通り抜けて一気に最終ラインまでボール運ばれてるような。

吉田も冨安も前から来るボールにはめっぽう強いが、後ろ向きに走らされたり、眼前でパス交換されたりドリブルされたりすることへの対応が後手に回ることがある。
そこはボランチとの連携なんだろうけど、ちょっと整理されてなかった気もします。カタール戦の2失点目とかね。

「守備意識」を植え付けて試合を塩漬けにして勝ちきるのが得意な“はず”のポイチさんの今後のお手並み拝見ということにしておきましょう。

・・・いや、まずポイチさんより協会トップの意識改革が必要。日本はまだまだチャレンジャーでいないと!

0 件のコメント: