おかげでだいぶ本、読めたなー。
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お口直しで読み始めた東川篤哉「ここに死体を捨てないでください」は実に良かった。軽妙なスタイルはそのままに、何て言うのかな、重厚さというか、ちょっと刺さるような感じがプラスされて・・・烏賊川市シリーズでは個人的には最高傑作かもしれない。
次の長編が非常に楽しみ。
で、ミステリは少しお休みして。
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我孫子武丸「さよならのためだけに」、近未来SFサスペンスってな感じでいいんだろうか?
遺伝子情報を解析する「結婚相談所」、そのマーケティングとか、宣伝活動とか、政治的な情報操作(誘導?)とか、相性、マッチング、DNAの優性・・・。
RFIDなんかの技術イメージは間違ってなかったりするもんだから、変なリアリティがあって、キーワードを並べるだけでもちょっと背筋が寒いわ。
でもね、本当の現代のテクノロジーは、すでにテクノロジー単体で歩き始めているわけではなく、社会システムそのものに関係するものとして歩みを進めている。
そのことは理解しているつもりなのだけれど・・・この近未来SF、怖いもんは怖いのよ。
ただ離婚したいだけのカップルに迫る謎の黒スーツの男たち。スピーディな展開、裏切られるチームワーク。少しずつ変わり始める主人公の心情。
まるでゲームのようにボスキャラ的な奴のさらに奥から現れるラスボス。最後の戦いに挑む主人公!
そうしてなんだか「期待どおりの」ハッピーエンド。
ん、待てよ?これは本当にハッピーなのか?
・・・(ちょっと考えてみる)・・・うわっ怖いっ。もちろん細かくは語れないけど(^^;
映画的な要素も盛りだくさん(ハリウッド映画でありそう)。てことでおもしろかったのだ。
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