井上真偽「アリアドネの声」を読了。
火災、崩落、地下水によって救助隊が向かえない中、地下5階に取り残された「ヘレンケラーな障碍」を持つ要救助者をシェルターまで最新型ドローンで誘導するという決死の作戦が始まる!
ドキドキサスペンスなんで、これ以上ストーリーの話を書くのは止めておきます。
緊迫感でぐいぐい読まされます。間違いないです。いわゆる「イッキ読み」です。
主人公がドローンとそのパイロットということもあって、「人間が最前線に」というこれまでのパニック作品(たとえば「炎の塔」とか)に比べると少し緊迫感が不足するように感じることも確かにありました。
一方でテクノロジーを主人公に据えることで、実に現代的なパニック作品という言い方もできるような気がします。
生身でないからこそ、『無理なものは無理なのか』という命題がより強く突き付けられるようでした。
たぶん、技術の進化は止まりません。
その進化の中には安全性とか確実性も含まれるはずです。
しかし、もしその進化を阻むものがあるとすれば、それは「悪意」。
歪んだ顕示欲、あるいは自己中心的な承認欲求。
でも僕は技術がそれすらも超えていってほしいと思うし、そうなると思ってもいます。
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ところで書籍のカバーには『想像の限界を超える、傑作ミステリー』との一文があります。
間違いなく全体を通してパニックサスペンスではあるのですが、確かに登場人物たちの中に少しずつ積み重なっていく「疑念」がそこにはあるのです。もちろん読者の心の中にも。
が!ラスト!!その「疑念」という謎が見事に解決されたときの驚きは、まさしくミステリーのそれなのです。
さすが井上真偽先生、お見事っ!なのです。
正直途中まで「探偵が早すぎる」「その可能性はすでに考えた」の井上真偽作品だということを忘れていたわ(笑)。
・・・主人公が声だけしか出てこないPOV視点の映像作品とかにならないかなぁ。
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