子供のころ、ロンドン橋だとは微塵も思わず「♪どんどん橋落ちた~落ちた~」と歌ってた人、挙手。はい。
ってことで、綾辻行人「どんどん橋、落ちた」を読む。少し前の作品だけど、新装版が出たよ~と書店で平積みになってたので手に取ってみました。
いわゆる本格モノで、フーダニット、誰が犯行を行ったのかが主軸で、途中のページには「読者への挑戦」なんてのもある。いかにも綾辻作品。
でね、僕は通勤電車の中で細切れで読んでるわけですよ。んで思う。
「この話はペンとメモを持ちながら読まないと謎なんて解けない」
実際はメモを取りながらでさえ解けるなんて思えないけども、少なくとも電車の中で読むには向いてなかったなぁ。
・・・とすっかり読み進めてから気づく(汗)。
それなりに謎解きにチャレンジしてたら「ああやられた」っていうのが、もっと大きく押し寄せてきてたはずで、その点では残念でしょうがない。
だけど、それ以上に“続きを読みたい”欲求が強烈。
答えがまったくわからないなら頭に戻って読み直すなんて手もあるわけだけど、展開そのものがおもしろくって、解決編まで「どんどん」読みたくなってしまった。イッキ読みである。
読み直したところで解けたとはやっぱり思えなかった(笑)。
解決編が示されているにもかかわらず、物語としては何ひとつ解答がわからないような浮いている状態。一件落着なのにムズムズするような座りの悪さ、であるにも関わらずの妙な居心地の良さ。
すごいな。うん、すごいや。
おまけにこうした本格モノがフェアであるための「知識」も提示してくれる。
この話がフェアなのにずるいってことがよくわかる(笑)。
ワタクシと同世代の綾辻さん、すばらしいです(^^;
・・
・・・
物語とは関係ないけど、気に入ったフレーズをひとつ引用。
『口を閉ざしてさえしまえば、更けゆく晩秋の夜は何とも深々とした静けさである』
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