2019年1月8日火曜日

古い仲間と交錯する人生。

本城雅人「LIFE」を読了。
本城さんといえば“野球の人”なイメージだったんだけど、たまたま手にとったこの本はサッカーだった。それをモチーフにしたサスペンス、かな。
巻末解説によれば、ご本人は野球ではなくサッカープレイヤーだったそうな。

幼馴染の3人。高校では同じサッカー部に所属し全国を目指していた時期がある。
天才肌のミッドフィルダー。後にプロ選手として欧州でもプレーした元日本代表、40歳になった現在はJ2でプレー(モデルはおそらく横浜FC)。
強靭なフィジカルを持ったフォワード。高校最後の試合で大怪我を負い、その後闇社会で生きる。サッカー賭博を生業としている。
ディフェンダーとしてチームを支えたキャプテン。刑事として暴力団と対峙していたが捜査中の怪我によって内勤に異動。

という設定なので、当然のように3人の人生が交錯していく。現在においても、そして高校時代のある事件に関しても。

この交錯していく中で浮かぶのは「最期」ということかな、なんて思いながら読み進める。
キャリアの「最期」、あるいは人としての「最期」・・・そうかタイトルは「LIFE」だったっけね、なんて改めて思ったりしながら。

サッカー的に書いてみると、FWがゴリゴリ行きたがるところを、MFはなんとかコントロールしたいと思い、DFは守りを固めたいと思う――チームメイトが互いのことを考えているようでいて、それぞれの考えが一致していないとき、チームは機能しない。

だから、物語は悲しい結末に向かうしかない。

でもなー・・・さすがにちょっと“どうにもならなさすぎ”な気がしましたよ(^^;

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