大倉崇裕「福家警部補の報告」を読了。4年ぶりに読むシリーズ3作目だ。
倒叙ミステリーの切れ味は相変わらず。加えて気楽に読めるというのも継続している。キャラクターの描かれ方のせいか、ほんわかしているようにも思えるんだけど、読み進んでいくうちになんとも表現のしにくい不安感のようなものがまとわりついてくる。
巻末の解説を読んで腑に落ちたのは、最初に犯人がわかっていることもあって、犯人側の気持ちに寄り添うように読み進めていくことになるという点。一人称はあくまでも犯人。
そして一方では福家警部補の心情は何ひとつわからない。相変わらずシュミはマニアックな人というのはわかるんだが。
それゆえの不安感。これこそがこのシリーズそして福家さんの魅力でもあり怖さでもあるんでしょうね。
「楽しかったわ。また会いましょう」(←ネタバレ+解説のパクリ)、ですね。
・・・もちろん4作目「福家警部補の追求」が文庫になるまで待ちますけど。
* * *
続けて同じ創元推理文庫の別のミステリーを読んでいる。いわゆる「本格」と呼ばれるもので、探偵役がいて「犯人探し」「謎解き」に主眼が置かれる。そして解決の前に“読者への挑戦”のページがあった。
『・・・実際にその挑戦を受け問題編を読み返して犯人やトリックを当てようとする奇特な読者などもはやどこにもいるはずがなく・・・』いや、ここにいますよー(笑)。
犯人の気配も、トリックを暴く取っ掛かりも、なにひとつわからない/気づかないままこのページまで来てしまったんで、あまりにくやしいじゃありませんか。
なので、現在まだ序章を読書中(^^;
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