2016年11月25日金曜日

時の渚。

信州・白馬方面でスキーをする人間にとって、一度は目にしたことのある地名、「鬼無里」。道路の案内表示で見るたびに、毎度毎度読み方を一瞬悩む。
正解はもちろん「きなさ」。あたりまえだけどちゃんと変換されるんだぞ(^^;

その鬼無里も登場する笹本稜平「時の渚」を読了。久しぶりの探偵小説だ。
少し前の作品だけど、本屋さんの「秋の読書フェア」でプッシュされてたので(^^;

余命わずかな老人からの「35年前に生き別れた息子を探してほしい」という依頼から物語は始まる。んで、その手がかりを求めて訪れた土地のひとつが鬼無里で・・・という展開です。

人探しが軸ではあるんだけど、やっぱり(案の定?)探偵本人にも「過去」があって、双方が複雑に絡んでくる。
そしてすべてのポイントになる事象がある年の夏に集中していて、これが探偵にも読者にもちょっとした「引っ掛かり」として印象づけられる。

物語がひとつの答えにたどりついた後、読者はさらに驚かされることになるのだ――。おっとこれ以上書いちゃだめよ>俺

探偵モノだからさ、当然悪いヤツは出てくる。でもそれ以上に、市井の人々の生き方にやさしくスポットが当てられているような気がしたんだ。だから衝撃のラストではあるんだけど、読後感がいい。そういう一冊です。

おもしろかったっ!

ところで、「時」はわかるが、どうして「渚」なんだろう。つらつら考えてみたけどなかなかこれという答えが見つからない。

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