2013年8月5日月曜日

対局。

まるで将棋の対局を見ているかのようだった。

静か。

一見静かに見えるけれど、そこには知力もすべて総動員した濃密なせめぎ合いが存在しているかのようだった。選手が使う「嵌まる」という言葉のニュアンスがそれに近いか。

2013 J.League Division1 #19
○浦和 3-1 広島


結果以上につばぜり合いは互角だったと思う。
ただ序盤の先制点が流れを決めた、ただそれだけの差。

でも、この勝利は大きい。ここ数試合まったくできなかった“やるべきこと”をやりきることができたのだから。

そしてその中心にいたのは鈴木啓太。

相手のビルドアップのときにまず前線の守備に顔を出す。相手の攻撃を限定したと見るや、一瞬にして中盤の危険なエリアを埋めに戻る。前後の選手との連携の妙。
そして守から攻への切り替えは誰よりも早く、最前線のスペースまで走る。
遅攻になっても止まることなく常にパスコースを作り続け、味方の動きを確認し、長短のパスを展開する。
前半終了時のスタッツで、最も長い距離を走り、最もスプリントをした選手。これがケガからの復帰戦とは、まさに驚愕。
柏木の前後の動きが軽快だったのも、啓太の存在とは無関係ではないはず。

「やはり『啓太がいるからこそ』『啓太が帰ってきたから』と言われてしまう、思われてしまうこと自体が我々がチームとしてまだまだ足りないということの表れであると思います。」――ミハイロ・ペトロビッチ

・・・ああ、埼スタ行きたかったなぁ。

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