2013年8月21日水曜日

引き際のよすぎる仕事人とバカな探偵トリオ。

久々に本屋さんでジャケ買い。お、発行は結構古いんだ。ということはこの本屋の担当の人はこんな感じが好きなんだろうね。

というわけで、井上夢人「the TEAM ザ・チーム」読了。決して善人でない4人のチームが「仕事人」として活躍/暗躍する勧善懲悪的な短編連作、です。

前半の数話は登場人物個々の“立場”や“能力”を紹介しつつ展開。そしてライバルとなる人物が登場。なるほどー。
徐々に盛り上がってきました・・・そして、彼らの過去を知る男が登場。そこにライバルも絡んできて・・・。

「潮合だね」

潮合とは「潮時」という意味なんだそうだ・・・えっ?終わり??

せっかくおもしろくなってきたのに、なんだよ、この「視聴率が悪くて打ち切りになった感」は。ライバルを語り部として終わらせるなんて、まさに打ち切りのパターンじゃないか。

チームとして難しいミッションに挑む話とか、このチームが結成された真の理由とか、もちょっと読みたかったんですけど。

*  *  *

待望の文庫化!個人的に(^^;

東川篤哉の鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ「殺意は必ず三度ある」も読了。

「読者への挑戦状選手宣誓」もあるし、いわゆる「本格」のミステリーだ。いつものように軽薄なタッチでずんずん進んでいくので、ヒントもどんどん見過ごしてしまっちゃうんだけど。

そして謎が徐々に解明されている“ような気がしている”段階においても、またまたミスリードさせられてしまう。
「解説」を読んで納得させられた。フーダニット、ハウダニット、ホワイダニットを交錯させて、錯覚させられているんだと。

イッキ読みしちゃったし、「探偵部」の連中と同程度には地団駄も踏まされたし、よくできたミステリーだと思う。

ただし。

高校野球がモチーフなので、甲子園を見てしまうとか、プロ野球の球団が10個ぐらい言えるとか、「スチール」「ゲッツー」「マウンド」「バックスクリーン」「ダッグアウト」が何なのかわかるぐらいの知識は最低限持ってないと楽しめないと断言できる。

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