2025年8月1日金曜日

翳りゆくひと。[104]


[104]

昼食を取ってた店でのこと。
見知らぬおばあさんと店員さんがカウンターで話をしている。大きな声はいやでも耳に入ってくる。

『おねえさん、おつりちょーだい』
『レシートと一緒にお渡ししましたよ』
『1000円払ったでしょ。600円のおつり』
『財布の中見てください、お渡ししましたから』
『入ってないわよ』

最終的に店長さんが登場して『お財布の中身見せてくださいね』『ありましたよ』ということで無事解決したようだったのだが、わたしはいたたまれない気持ちと同時に、怖さのようなものも感じていた。
もし、あっちゃんが同じような場面になったら、と。

あっちゃんのことだから仮におつりをもらってないと思っても、体裁を気にして黙ってるような気もするのだけれど、そうとも限らないのが認知機能の低下というやつだろう。お金のことはトラブルになるという話もよく聞くし、そもそも店の迷惑になってるし、何かスイッチが入ってしまうようなことも想像してしまう。

そうなる前に、老人ホームという環境に移ってもらえてよかった。そう強く思った出来事だった。

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