JapanWay

よく「世界を驚かせる」なんて言い方をするけれど、先に驚いたのはこっちのほうだ。正直、最高の結果で「勝ち点1」、それすら厳しいと思ってた。
強くなった、強いとは聞いてたが、まさかこんな凄い試合を見せてくれるなんて！

IRB Rugby World Cup England 2015 Match4 PoolB
RSA　32－34　JPN○

このチームはもともと決勝トーナメント進出を目指していたので、「24年ぶり2勝目」ということ自体にはさほど驚きはない。でもその相手が優勝候補の南アフリカであったということは、おそらくラグビー界の歴史の中でも最大の驚きでありアップセットであったと思う。
非常に点数の入りにくいサッカーや、結局個人の対決の積み重ねな野球などと比べ、ラグビーは実力・地力がかなり近くなければ番狂わせは起こりにくい。ましてや「肉体」が要求されるコンタクトスポーツなのだから。

だからこそ、そのレベルまでエディージャパンは実力をつけていた、ということがそもそも十分な驚きをもってとらえられるべきことなのだと思う。

言葉は適切ではないかもしれないけど、南アフリカの選手たちは「恐怖」を覚えていたと思う。押しても回しても次から次へとタックルが低く鋭く飛んでくる。相手が15人ではなく25人ぐらいに感じてたんじゃないだろうか。
それが後半、トライを狙わずに「3点」を堅く取りにいった選択に表れてたのではないか。そしてその選択がジャパンに勇気を与えることになる。トライを取らなければ負け、ではなく、トライを取れば勝利できる――。

同点PGを狙わず勝利を目指しタッチに蹴りだした「勇気」。南アフリカにシンビンがあったにせよ、あの相手に対してドライビングモール、スクラムトライを狙いにいくなんて、見ているこちらは“震える”以外に何もなかった。

歴史が生まれる瞬間は目撃した。これを歴史上の奇跡のひとつではなく、新しい歴史の1ページ目にならんことを。まずは3日後。

*　　*　　*

この試合を見たらぜひ新国立を2019に間に合わせたくなるのは人情だろう。
あと、この試合の地上波放映権を持ってた某テレビ局は何してるんだと小一時間。