というわけで、見たいと思ってたことすらすっかり忘れてた周防正行監督の「それでもボクはやってない」を今さらながらに見てみました。
「こえー(笑)」とかいって笑ってられない。
もちろん映画なのだから、ことさらに何かを強調している部分はあるんだろう(目線が圧倒的に被告寄りだからね)。ただ、そんなことを感じさせないぐらい、真に迫るという言葉が当てはまる。
心情とか、慮るとか、行間を読むとか、そういう人間らしい部分をすべてなぎ倒して裁判は進んでいく。
「裁判は有罪か無罪かを決める場ではない」。ストーリーそのものは単純なので、そこの部分に気を取られることはなく、ただひたすらにその「リアル」に向き合わされる。
裁判官や検察官に煽られたときの被告役の加瀬亮の心の揺れ、親身なようで微妙に突き放している弁護士役の役所広司の静かな目、裁判官役の小日向文世の冷徹な言葉・・・。役者の演技もすごかった。
その瞬間瞬間、僕自身に「それでもボクはやってない」と言うだけの気力はあるだろうかと――。
僕にとっては「チョー好み」という映画ではないけれど、この作品を傑作と呼ぶ人がいてもちっとも疑問に思わない。
とりあえず、できるだけ満員電車に乗るのはやめよう。乗らなきゃならないときは後ろ向きに乗ろう。メールが来てもポケットから電話を出そうとするのはやめよう。そう固く心に決めたのでありましたとさ。
主人公には信じてくれる人たちがいた。それは少し救われた・・・
・・いや待てよ。本当にやってないのか???
* * *
おまけ。ひさーしぶりに「ジャッカルの日」を見た。やっぱりおもしろいなー。わかっててもハラハラドキドキ。そしてあのマダムがあんなに美人だったことを新発見(^^;
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