そんなこともあって、少し前の作品、友人のSくんオススメの中山七里「さよならドビュッシー」である。「このミス大賞」の受賞作だ。
オープニングで大勘違い。「庄内川」って山形の庄内地方にある川だと思ってたら違ったのね。道理で話がかみ合わない(^^;
そもそも「ドビュッシーって誰」ってくらい、僕はクラシック音楽には明るくないので、作中に登場する音楽に対する知識はない。せいぜい刑事さんと同じく「年末の第九」ぐらい。だけど、何かこう、演奏者の感情に乗ってピアノの音が聞こえてくるようで――。
この描写力そのものが大きな魅力であることは間違いない。特にIVの2の「皇帝」はヤバかった。正直音楽用語の意味はわからないんだが、迫力がすごいの。
そしてリズムがいい。音楽がモチーフだから?
文章そのもののリズムも、ストーリーの展開という意味でも。だから、読んでてミステリーらしからぬ「心地よさ」のようなものがそこにあった。
じっくりじっくり。
僕はわりと斜め読みしてしまうほうだと思うんだけど、ページを戻ったりしながら味わいつつ読んだ。話がわかんなくなって戻ることはあっても、こういうのって個人的にはちょっと珍しい。
若者の成長物語でもあり、社会と個人の関わりに対する提言であったり、そんなものも含みつつのミステリー。「オチ」は正直冒頭の伏線である程度読めたので、「サイコー!」とは言いませんが、まあ。
ちょっとだけネタバレ書きます。「よかった、探偵役が犯人というパターンでなくて」。
だけど、クラシック音楽を聴いてみたくなることは請け合い。
引き続き、シリーズを読んでいこうと思います・・・
・・・で、ラフマニノフって何?美味いのか、それ?
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