短編集、萩原浩「月の上の観覧車」を読了。
収録されている8篇は、まったく違うストーリーでありながら、大きな共通項の中にあるといっていいように思う。現在と過去。ありふれた言葉でいうなら思い出話。
家族のこと。それはは必ずしも簡単じゃないし幸せばかりでもない。
ただそのことだけ。そのことだけを繰り返し繰り返し。
ところどころのエピソードが自分にとっても「あるある」で、そのことが共感というよりも、ちとしんどい。
回顧であり、後悔。
わかってる。思い返すというのはそんなことばかりだ。そういう年齢だもの。
だからこそ、しんどい。そこに希望はあるのかと。未来への光はあるのかと。
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話の筋道とは関係ないけれど、頭の中に急に色彩があふれた一節を。あらゆる種類の、って表現が好き。
『あらゆる種類の緑色で塗り潰された二等辺三角形の山。』
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