2020年2月20日木曜日

月の上の観覧車。

短編集、萩原浩「月の上の観覧車」を読了。

収録されている8篇は、まったく違うストーリーでありながら、大きな共通項の中にあるといっていいように思う。

現在と過去。ありふれた言葉でいうなら思い出話。
家族のこと。それはは必ずしも簡単じゃないし幸せばかりでもない。

ただそのことだけ。そのことだけを繰り返し繰り返し。

ところどころのエピソードが自分にとっても「あるある」で、そのことが共感というよりも、ちとしんどい。

回顧であり、後悔。

わかってる。思い返すというのはそんなことばかりだ。そういう年齢だもの。

だからこそ、しんどい。そこに希望はあるのかと。未来への光はあるのかと。

・・
・・・

話の筋道とは関係ないけれど、頭の中に急に色彩があふれた一節を。あらゆる種類の、って表現が好き。

『あらゆる種類の緑色で塗り潰された二等辺三角形の山。』

0 件のコメント: