そんな本屋さんで目に止まった1冊。「風が強く吹いている」の三浦しをん、「バッテリー」のあさのあつこ、「サクリファイス」の近藤史恵。“スポーツが書ける” 3人が市民マラソンを描く短編集「シティ・マラソンズ」を読了。
ニューヨークを走りながら広和は社長の言葉を思い出す。「俺はな、努力の効果を信じてるやつには、あんまり興味がない・・・努力してもかなわないことがあるなと身をもって知ることから、はじめて本当にスタートできるんじゃないのか」。そして思う。「苦しみも哀しみも悔しさも、受け入れてなお、働き、走り、考え続けて生きる毎日を体と心は欲してやまない」ことを。
上司に「中途半端」と評された悠人は、東京ビッグサイトのフィニッシュ・ゲートで「知るために走る」と言った湊のゴールを待つ。身を貫く喜びを、少しだけわかったことを感じながら。
逃げるようにパリにやってきた夕は、その街でふいに思う。「たぶん、走ることは祈りに似ている。身体の隅々まで酸素を行き渡らせて、身体を透明にして、祈る」。
主人公も、作者も、三人三様。
あさのあつこはやっぱり青春の
特に心に残ったのが近藤史恵。パリ(そういえば自転車ロードレースの本場だな)の街の描写もさることながら、いとおしい言葉が並ぶ。『それを受け入れるには「心の手続きが必要」』、とか。
内容はそう濃厚ではなく、すーっと読み飛ばす感じだ。印象としては42.195kmもなくって、せいぜい10kmぐらいだ。
でもランナー諸兄にとっては「あのマラソンに出たい」という欲望が湧いてくるんでしょうね~。
とまぁ、そうは言ったところで、僕自身は走ろうとはまったく思わないわけですが(^^;
で、この本に出てくるシューズ、はっきりとは書いてないけどすべてasics(わかる人にはすぐにわかると思う)。巻末にスポンサーであることが明記されてました(^^;
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