2013年4月3日水曜日

走る三都物語。

浜村渚の2さつめ」をレジに持っていったら、若い店員さんが僕の顔と表紙を見比べて鼻で笑ったような気がする今日このごろですがいかがおすごしでしょうか。

そんな本屋さんで目に止まった1冊。「風が強く吹いている」の三浦しをん、「バッテリー」のあさのあつこ、「サクリファイス」の近藤史恵。“スポーツが書ける” 3人が市民マラソンを描く短編集「シティ・マラソンズ」を読了。

ニューヨークを走りながら広和は社長の言葉を思い出す。「俺はな、努力の効果を信じてるやつには、あんまり興味がない・・・努力してもかなわないことがあるなと身をもって知ることから、はじめて本当にスタートできるんじゃないのか」。そして思う。「苦しみも哀しみも悔しさも、受け入れてなお、働き、走り、考え続けて生きる毎日を体と心は欲してやまない」ことを。

上司に「中途半端」と評された悠人は、東京ビッグサイトのフィニッシュ・ゲートで「知るために走る」と言った湊のゴールを待つ。身を貫く喜びを、少しだけわかったことを感じながら。

逃げるようにパリにやってきた夕は、その街でふいに思う。「たぶん、走ることは祈りに似ている。身体の隅々まで酸素を行き渡らせて、身体を透明にして、祈る」。


主人公も、作者も、三人三様。
あさのあつこはやっぱり青春の甘酸っぱい甘苦い感じを描くし(話自体は大したことないぞ)、三浦しをんは、心情の揺れ動きを描くリズムが、ホント僕の好みだし。
特に心に残ったのが近藤史恵。パリ(そういえば自転車ロードレースの本場だな)の街の描写もさることながら、いとおしい言葉が並ぶ。『それを受け入れるには「心の手続きが必要」』、とか。

内容はそう濃厚ではなく、すーっと読み飛ばす感じだ。印象としては42.195kmもなくって、せいぜい10kmぐらいだ。
でもランナー諸兄にとっては「あのマラソンに出たい」という欲望が湧いてくるんでしょうね~。

とまぁ、そうは言ったところで、僕自身は走ろうとはまったく思わないわけですが(^^;

で、この本に出てくるシューズ、はっきりとは書いてないけどすべてasics(わかる人にはすぐにわかると思う)。巻末にスポンサーであることが明記されてました(^^;

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