タイトルで驚かないように。ただの読書感想文ですので念のため。
この前、職場の女性スタッフが辞めた(これはリアルの話)。客先に挨拶すると判を押したように「ブラックなの?」と聞かれたとか。いや、違うから(^^;
実際は寿退社なのだけど、半ば冗談でそういうことを口に出すというのは、言葉がひとり歩きし始めた証拠なのかな。
発売されたときからものすごく気になっていた一冊ではあるのだけど、あまりにもタイトルがストレートすぎて自分のコンディションがいい状態じゃないとおっかなくて、手に取るまでずいぶんと時間がかかってしまった。ちょっと回りくどい言い方だけど(^^;
就職したのはブラック企業、上司の罵詈雑言を浴び続け、毎日磨り減っていく主人公・青山。読んでるこちらもいっしょに辛くなってくる。程度の違いこそあれ、似たような経験は、ある。
疲弊しきった青山の前に現れたひとりの男、ヤマモト。彼はいったい?そして青山は?
・・
・・・
まあタイトルに「やめてくる」って書いてあるからね、そういうことなんだけど。
単純だし予定調和だし。ヤマモトの正体なんてすぐに想像できちゃうレベルだし。
なのに。なのに。
生きてて良かった。それで良かった。
『――あーら、別にいいんじゃない?』
青山の母が電話口で言い放つ迷いのないその言葉は、彼だけじゃなくて僕にまで響いてきた。ちょっと涙出そうだった。
それにしても、こんなにも短い時間で一冊読んだの、久し振り。
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