『ネタバレしたって別に良くないですか?』
劇場の薄暗い廊下に掛けられたスズキタゴサクがそう言う(↓)ので、ネタバレ覚悟で書くことにします。
見に行ってきました、映画「爆弾」。
原作は未読。ただこの映画が公開されることを知った直後から、どうしても劇場で見なきゃならないと思ってた。理由なんてわかんないけど。
サスペンスとかミステリーって、原作小説のほうが濃密で好みということが多くて、その意味では期待半分不安半分ではあったものの、最初の「直感」を信じて。
結論から書けば、その直感は正しかった。
すごかったとしか言いようがない。
劇場で見る価値が十二分にあった。
大半のシーンが警察署の取調室なので、「家のテレビで見るので別に良くないですか?」って声が聞こえてきそうではあるんだけど、逆にその無機質な空間での登場人物たちを、一挙手一投足を、微かな表情の変化を、大スクリーンで存分に堪能した。
むしろ、演者がそこにいなければこの作品の真の姿は描き切れなかったのではなかったのだろうか、というぐらいに。
映像化して完成した、と言ったら言い過ぎか?
そうなんす。役者さんたちがすごすぎたんですわ。
何かを秘めるような抑えた中に「悪」が潜んでいるような――タゴサクだけでなく、そこにいる誰も彼もが。
浮いているように見える演者がひとりもいなかったのって実はヤバいぐらい素晴らしいことなのではないかしら。
彼らが演じていたのは、それぞれの“心の形”。それは決してまっすぐなものではなく・・・・(きゃーーー!)
エンドロールが流れてくる中、観客の全員の動きが止まってたようだったのが心に残る。
もっかい見たい気持ちもあるわ~。
・・
・・・
スズキタゴサクはジョーカーやレクター博士のような稀代の大悪役として名を残しそう。
0 件のコメント:
コメントを投稿