今回今さらながらに見てみた映画は「悪なき さ⊃ じん」です。
いつものように書き残したくない漢字は書きません。ちなみに「動物だけが知っている」は原題の邦訳です。
山間の小さな村。そこで起きたある女性の失踪事件。
登場人物のそれぞれの視点から別々の角度で、その事件の前後の事象が描かれることで、複雑に絡み合った人間関係と事件の真相が露わになっていく――というようなお話。
ちなみに事件の周辺には犬とか牛とか羊とかがいる。彼らはすべてを見ていた。
欧州の映画(フランス・ドイツ合作)なので「ちょっとややこしいかな」と思いながら見始めたんだけど、あっという間にその世界に引き込まれてしまった。
視点が違えば見えているものも違う。考えてみればあたりまえだったと改めて思う。
悪いことは悪いことだとは思うけど、そのきっかけは小さなそれもごく個人的な感情――承認欲求とか愛とかいろいろあるけど、その多くは「寂しさ」だった――でしかなかった。その点において、どの登場人物の気持ちも「わかる気がする」と思わされてしまった。
特定の誰かではなく、それぞれの気持ちが。
誰も幸せにはならなかった。すごくそれが見てるこちらの心に染みてくる、そんな作品だった。
ところで後半、サスペンスの様相がガラリと変わる。「悪」意がそこにあったのだ。ごくり。
・・・それはもしかしたら「救い」だったのだろうか。

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