2013年12月3日火曜日

ダウンヒルじゃないほうのカッコウ。

野球サッカー、そしていよいよスキーですっ!
東野圭吾の「カッコウの卵は誰のもの」、ウィンターシーズン到来まで読むのを待ってたのだ(ちょっと嘘)。
「鳥人計画」や「白銀ジャック」を挙げるまでもなく、ウインタースポーツは東野圭吾の得意ジャンルだろう。

冒頭から一気にストレスなく物語に引き込まれる。この万人受けする筆致はさすがとしか言いようがない。あ、イヤミじゃなくね。

主人公はアルペンスキーの選手の父娘。父は元ワールドカップ選手。娘は将来を嘱望される若手レーサー(ほら、気になってきたでしょ?)。そして彼らの遺伝子情報を求める研究者。

スポーツや芸術においては「血筋」がしばしば語られる。だが、はたして才能とは、天賦のものか、環境が育てるものか、努力によって作られるものなのか。
だが、それはすべて「家族」という枠の中に存在するものであったりする。

近未来のSFのようでもあり、もうすでに我々の知らないところで常識になっていることのようでもあり、そうした小さな怖さとともに、複雑にいろいろな人々のそれぞれの物語と謎を絡ませながら、ミステリアスに描かれるのはただただ「家族」の物語

もうね、とにかくイッキ読み。どんでん返しのもう少し向こう側のどんでん返し(笑)、こういう落としどころがあったのか~。実におもしろかったーっ!
おそらくは「物足りない」という向きもあるようなタイプの話なんだけど、僕自身はエンディングの持っていき方は悪くないと思いますよ。まあスキーヤーの話というだけでちょっとポイント高いのは認めざるを得ないが(^^;

次は「疾風ロンド」だな。「白銀ジャック」に続いてまた雪山が舞台らしいですよ。

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