図書館で借りられたので、珍しく新作を単行本で読んでみた。
堂場瞬一の「独走」、またもスポーツの影の話。オリンピックにおける「金メダル倍増計画」を打ち出した“スポーツ省”、その目玉として強化指定となった長距離選手。
SA(ステート・アマチュア)と呼ばれる彼らは、練習や試合だけでなく生活そのものも管理され、成果が求められる。国のカネで生かされ、そして走る、公務員とも揶揄される存在。
自らの出世をも画策する霞が関の人間、そこに雇われる形の元柔道金メダリスト。それぞれの思いが交錯する。
アスリートにとっての目標とは、ゴールとは。やがて見つかるひとつの答・・・。
てな話なんだがね。相変わらずロマンチストだねー、と思うものの、これまでの陸上選手を描いた堂場作品に比べると終盤の盛り上がりが・・・。「答えが見つかったこと」をゴールにしてしまったようで。その先が楽しみだったんだけど。
個人的には、スポーツ省の「闇」の部分をもっとえげつなく描いてくれたほうがよかったかな。大学の同級生たちのダークな部分とか、金メダリストの嫁の話とか(細かくは言えませんけど)。
そうすることでその闇から抜け出そうとする、自らを解放しようとするアスリートの本能が際立ったんではないかと。偉そうですが(^^;
読んでてあんまり汗、かかなかった、そんな印象でした。ただ近未来スポーツドキュメンタリーだと思うと、読み応えアリなんだけどな。
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