「例えば、何か一つ作り話があるとするじゃない」
「それを相手から直接伝えられたら、本当かな、って疑っちゃうでしょ」
「だけど、同じ話を相手が他の誰かに喋っていて、自分はそのやりとりをそばで漏れ聞いていたっていう場合だったらどう? ころっと信じちゃったりしない?」
それが傍聞き(かたえぎき)――。
本屋で絶賛おすすめされてた文庫を買って、家に帰ると図書館から借りてきたと思われる単行本がテーブルの上に置いてあった罠(笑)。
そんな(どんな?)長岡弘樹「傍聞き」を読了。
短編のミステリー4編が収められているのだが、これが実に読後感がいい。
ちょっとネタバレかもしれないので、気になる方はこの後読まないでね(^-^;
4編それぞれの主人公は、救急救命士、警察官、消防士、保護司。人にやさしくないと選べない職業かもしれない。
その彼らの周辺で起こる出来事。疑心、そして・・・。
ミステリーなのに、どれも「いい話じゃないか」と思わせてくれる。
「薄い」がゆえに、好みも分かれそうな気もするけれど、私もオススメしておこう。
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