『水の色は青』――。
伊与原新「ブルーネス」を読む。
読み進めて残りページが少なくなって、終わってしまうのがもったいなくて本を閉じた。
もったいないというだけじゃない。このクライマックスは「手に汗」どころじゃない。脳内の汗がひどい。しんどいのだ。
でもその脳内が続きを読みたいと促す。
再び本を開き、50ページぐらい戻って、改めてじっくりと噛みしめながら読み直す。
登場人物はいずれも苦悩を抱えている。淀んだような後悔を。
だって、その相手はあの3.11のあの津波なんだよ。関係者にとってそれはそれは重い荷物だろう。
「blueness」は『悲しさ』という意味も内包している――。
ただ物語は単純な苦悩に立ち向かうだけの話ではない。
あくまでもベースにはサイエンスがあって(さすがの伊与原作品)、その事実と証拠とかの上に人間がいる。人間が生きてる。そういう物語だった。
ちゃんとしたベースの上にちゃんと登場人物の成長の物語が存在している。そこがすごくて素敵な作品だった。
だからこそ、クライマックスでは震えるような読書体験ができたのだと思うのです。
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ネタバレすると、いわゆる敵役はいろいろと登場するのですが、唯一、某天下りさんのみ、特に成長いたしません(笑)。
その「公」側の立場の方々に全力でお願い。
基礎研究の予算はしっかりと確保してください。未来に、命につながるものなのですから。
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